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コラム|2021年の中学英語

【2021年】大きく変わった中学英語。
内容と新しい勉強法、受験への影響は?

新学習指導要領の全面実施により、2021年から大きな変化をみせる中学校の英語教育。中学生のお子様がいる保護者の中には「どう変わるの?」「受験への影響は?」と不安に思っている方も多いでしょう。

今回は、中学校英語について詳しく解説。変更点や勉強法、受験への影響に関して説明したいと思います。

2021/08/24
[著者]若松塾教師 山本啓太

目次

  1. 新学習指導要領で中学英語はどう変わる?
  2. 1学期を終えて、学校現場はどんな状況?
  3. 4技能の土台は音読でつくる
    1. 英文を速く読むための音読
    2. リスニング力をつけるための音読
    3. 有効な音読方法
  4. 家での勉強法は、教科書の音読で十分
  5. 高校受験への影響は?

1.新学習指導要領で中学英語はどう変わる?

新学習指導要領の実施により2020年から小学校で英語教育が必修化されたのは話題になりましたが、中学校でも2021年から英語教育がガラリと変わったのをご存知でしょうか?

教科書だけ見ても二次元バーコードの記載、発表・会話など活動項目の増加、実践的な場面設定などいくつも変更がありますが、全体の大きな変更点としては「単語数の大幅増加」「文法内容の前倒し」の2つが挙げられます。

今年の4 月に中学校で配布された英語の新教科書と昨年までの旧教科書と比べると格段にレベルが上がっています。その理由の一つに語彙量の大幅な増加があります。次の資料は、東京書籍の『 NEW HORIZON 』に収録されている単語数を旧版と新版で比較したものです。

単語数比較
学年旧教科書新教科書
中1374937
中2392621
中3210582
合計9762140

小学5年から英語の勉強が始まっていることを前提に教科書が編さんされているため、中1の単語数が大幅に増えていることが分かります。また、3 年間で習う単語数も倍以上に増えています。 このように 収録単語数が増えることで、より自然で多彩な英語 の理解や表現が求められるようになります。

次に、「文法内容の前倒し」に関してですが、新学習指導要領の実施で、仮定法・感嘆文・現在完了進行形・原型不定詞など、高校で学んでいた文法の一部を中学生で学ぶようになります。

難易度が高くなることや授業のスピードアップが懸念されていますが、一方で1つ1つの文法を時間をかけて学ぶ文法重視の英語から、より実践的な英語教育へシフトしたという見方もできるでしょう。

また、身につけるべき能力が変化したことにも注目が集まっています。従来では「読む」「書く」の2技能を重視した英語でしたが、新学習指導要領の実施により、「話す」「聞く」がメインだった小学校での学びをベースに、「読む」「書く」を加えた4技能での勉強が本格的にスタートします。

2.1学期を終えて、学校現場はどんな状況?

2021年の4月に中学校でスタートした新学習指導要領による英語の授業。1学期が終わった段階ではどのような変化が見られたのでしょうか?

1学期の中間・期末テストを終えた子どもたちに感想を聞いてみると、「難しくなった!」という声が多く出ました。単語数が増えているので難しさを感じるというのはもちろんですが、教科書の隅々から問題が出ている印象。教科書の文章だけでなく、初見の英文を出す学校も出ているようです。

3.4技能の土台は音読でつくる

3-1.英文を速く読むための音読

少し込み入った日本語の文章を読む際に、多くの方が頭の中で音読して読んでいるのではないでしょうか。同様に、英語で書かれた文章を読むときにも頭の中で音に直しながら 意味をとります。 特に外国語である英語の場合には、音読の速さ以上に速く読むことは難しいとされています。よって、英語の長文を速く正確に読むためには、日頃から音読練習を繰り返すことで、図のを強化することが不可欠です。また、受験前には長文問題をたくさん解くことによって、図のも強化しなければなりません

英文を速く読むための音読

3-2.リスニング力をつけるための音読法

日本語の音を聞いたときに、日本語のネイティブである私たちは、そのまま意味が理解できます。の方向に頭が動くわけです。ところが、文字中心の英語学習では頭が の方向で動いてしまい、音と意味とが連動しないため、比較的簡単な英文であってもスムーズに意味が取れないということがたびたび起こります。の方向を強化する訓練が必要なのです。

リスニング力をつけるための音読

3-3.有効な音読方法

有効な音読方法を4つ紹介します。次の①→④の順で難しくなります。 ポイントは2つです。
1つ目は、英語の音と意味を耳で記憶し、英語のままで理解することを意識して練習すること。次に、自分の口から出せる音は聞き取れるようになるということです 。下記の①~④の いずれのやり方でも必ず自分の発音とネイティブの発音を聴き比べ、徹底的にネイティブの発音を真似ることが大切です。

有効な音読方法

難しいほうから説明します。
④の「シャドーイング」は、 英文を見ずにネイティブの発音の少し後から追いかけるように発音します。
③の「ディクテーション」は、通常の場合は1分ほどの英文を聴いた後に紙に書く練習を指すのですが、ここでは英文を見ずに聞いた英文を一文ごとに発音する練習です。これらの「シャドーイング」や「 ディクテーション 」はリスニング力をアップさせるためにとても有効な方法です。

しかし、この二つは難易度が高いため、最初は、英文を見ながら英文を聴いた後に発音する①の「リピーティング」や 英文を見ながら ネイティブの発音にかぶせるように発音する②の「オーバーラッピング」から始めます。「リピーティング」や「オーバーラッピング」ができるようになった英文から、「ディクテーション 」や「シャドーイング」に挑戦してみるといいでしょう。

4.家での勉強法は、教科書の音読で十分

先述したように、4技能の土台を身につけるには音読が有効です。また、音読練習の4つの方法を説明しましたが、音読教材は何を選べばいいのでしょうか。

結論から言うと、教科書だけで十分!ということになります。実際、英語が苦手な多くの子は教科書をスラスラ音読できません。教科書を声に出して何度も読むだけでも自然と力がつくでしょう。キーセンテンス、重要表現などをまず言えるようなれば、苦手意識はなくなっていきます。

母国語(自分が話せる言葉)であれば、対話の相手があいまいな発音をしても聞き取ることができると思います。自分が発音できる言葉は容易に聞き取ることができますが、自分が発音できない言葉は聞き取りが難しいものです。遠回りのように思えますが、根本的に英語のリスニング力をつけるには「たくさん発話をする」ことが重要です。

新しい教科書にはネイティブ発音が聞ける二次元バーコードが載っています。リピーティングやオーバーラッピングについては、二次元バーコードの音源を利用して練習できます。

音読練習は、野球やテニスのスィングの練習に例えることができます。つまり、体で覚えることが大事なのです。同じ練習を毎日欠かさず反復練習してこそ身につきます。あれこれ手を出すと結局どれも中途半端に終わってしまいます。今回の教科書の大幅改訂で教科書のレベルがかなり高くなっていますので、その教科書の本文の音読を100%マスターすれば、英語の4技能の土台だけでなく、入試問題に対応できる力も身につきます

5.高校受験への影響は?

最後に、高校受験について話をしておきます。ここ数年、新学習指導要領の流れに沿うように、少しずつ高校受験の内容も変化を見せています。

1番の特徴としては、文章量(文字数)の増加とグラフや図などの資料の多様です。定期テストでもその傾向はありますが、受験でも英語の読むスピードが求められるようになっています。また、リスニングテストの際に流れる英語のスピードも速くなっています。この2つの変化の対策としても「音」での勉強が有効になってくるでしょう。

そして、東京都では令和4年度から「中学校英語スピーキングテスト」が実施されることが決定しています。タブレット型端末、イヤホンマイク、防音用イヤーマフを使って実施されることになっており、テスト結果を都立の高校入試の際に活用する予定です。
東京で始まったということは、全国的に広がる可能性は大いにあります。自分の都道府県がいつ導入するかについてのアンテナを張り巡らしておいてください。

まとめ

新学習指導要領の実施により、2021年からガラリと変わった中学英語。最も変化がみられるのは「単語数の大幅増加」「文法内容の前倒し」でしょう。

始まったばかりで現場レベルでの足並みはそろっていませんが、「音」を大切にした勉強が大切になってくるのは明確。乗り遅れないように、新学習指導要領に沿った勉強をスタートしてみてください。最もおすすめする勉強法は「教科書を音読して、まるまる覚えること」です。

また、高校受験の段階で子どもたちに求められる英語のレベルはどんどん高くなっていく傾向です。新しい英語教育に沿った勉強法の確立や情報収集を早めにしておくことが大切です。

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