【国語】選択問題の解き方と考え方 その1

藤岡教室では科目ごとの学習方法や解法・解き方について定期的に記事を配信しています。

今回は「国語の学力向上に必要なこと 選択式問題の課題と考え方」についてお届けします。

 

【選択問題の重要性について】

中学受験で選択式問題はほとんどの学校で出題されています。部分点がないために成績を明確に分けることができ、難易度の調整が容易で、出題方法も幅広いので、非常に問題が作りやすいためだと思われます。また合格発表までの期間が短かったり、日程が多く倍率の高い学校では採点がしやすいという面もあるかもしれません。

特に志望者も多い須磨学園では毎年4~5割程度が選択式問題で出題されます。また2019年度入試で倍率の上がった三田学園や啓明学院の国語でも、選択問題はもちろん語句を挿入する問題が多数出題されます。

※ 須磨学園の出題についてはこちらをご覧ください。

 

では具体的に選択式問題を解く際にはどのような力が必要となるのでしょうか。おおまかに以下の5通りに区別できるでしょう。

 

  1. 選択式問題の中で出てくる言葉を正確に理解できる語彙力
  2. 選択式問題の各選択肢を、個別の要素に分解する力
  3. ②であげた各要素の表記と本文の内容を正確に素早く対照する力
  4. ②であげた各要素の論理関係が正確であるかを確かめる力
  5. ②~④を通して「正しい」とされた選択肢の内容と設問が対応しているか確かめる力

 

もちろん国語、選択問題に限らず問題を解く際には複数の力が必要となります。そして必要となる力の中で最も弱い部分に合わせて点数が出てしまします。

たとえば上にあげた①語彙力が豊富であるにもかかわらず、③~⑤の対照する力が弱いために得点ができない子がいる一方で、語彙力の不足のために得点ができない子もいます。

 

前者は本をたくさん読んでいて、会話をしていても幅広い教養が感じられる子に多く見られます。

豊富な知識があるために、「前に本で読んだことがあるから」と自分の知識をもとに解答を導いてしまいがちです。

「物語文は好きだけど、説明文は面白くないから嫌い」という子が多いですね。

 

後者は読書量や言語生活は乏しいものの、算数で論理的にものを考える力がある子に多く見られます。

普段の会話には支障がなくとも、文学的文章でよくみられる「こぶしを握りしめた」や「目をそらした」といった心情語が判断できない、理解できない子もこれにあたります。

反面、論理的な文章である科学や自然に関する問題の時は得点できることが多いため、「国語は安定しない科目だ」とみなされがちです。

 

ではどうすれば得点できるようになるのか?

次回はまず選択式問題にはどのようなものがあるのかについてみていきましょう。

藤岡教室講師 山本嵩覚(国語科)

その2

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