【国語】選択問題の解き方と考え方 その2

【そもそも選択式問題とは何か】

選択式問題は接続詞や副詞、言葉の意味を選ぶものから、原因や気持ち、作者の意図の説明を選ぶものまで多岐にわたります。

ここでは2つに大別して考えましょう。

 

  1.  接続詞や副詞の挿入、言葉の意味など
  2.  傍線部の説明や理由を述べているもの

 

(ア)は本文中の空欄に適語を補充したり、傍線部の言葉の意味を問うたりするものがほとんどです。

前者はその前後を読んで論理関係を導く力が、後者は語彙力さえあれば即答できるものが多くみられます。

このように選択肢自体が単一の要素からなるものを「単純な選択肢」と呼ぶことにしましょう。

こちらは滝川中学校や啓明学院中学校、滝川第二中学校といった中堅校に多く見られる出題です。配点も大きな割合を占め、国語の基礎的な力が測られる問題となっています。

※ 滝川第二中学校の出題についてはこちらをご覧ください。

 

(イ)の場合についてはどうでしょうか。

例えば「人間の生活にとって害と思えるカラスの活動は、自然界では当然のことであり、その活動なしには人間の生活も成り立たない。」という選択肢を子どもたちはどう処理しているのでしょうか。

 

まずこれだけ長い選択肢の正誤を一読して判断できると考えるのは危険です。

なぜなら「よく見て、調べ、考えれば解ける問題」が上位校では出題されることが多く、それらは文章を何となく理解した程度ではその正誤を判断できないように作られているからです。

 

ここでは選択肢をいくつかの要素に分解し、それらの論理上の関係を考えなくてはなりません。

つまり「①人間の生活にとって害と思えるカラスの活動は/=/②自然界では当然のことであり、/→(だから)/③その活動なしには人間の生活も成り立たない。」というように分解し、

①~③の要素が本文中で語られているかどうか照らし合わせた上で、その間にある論理関係を見ていかなくてはいけません。

 

このように複数の要素からなり、その間に論理関係が存在するものを「複雑な選択肢」と呼ぶことにしましょう。

こちらは須磨学園中学や六甲学院中校などの上位校に多い出題で、学校の難易度が上がるにつれて選択肢が長く、抽象的になる傾向にあります。

配点に関しては学校によりますが、須磨学園は大きな割合をしめるので、特に注力して対策を打つ必要があります。

※ 須磨学園の出題についてはこちらをご覧ください。

 

これまで述べてきたように選択問題といっても複数のパターンが存在しているため、「選択問題ができないんです」というお悩みはもう少し掘り下げて考えていく必要がありそうです。

「複雑な選択肢」と「単純な選択肢」それぞれの解法や、得点のための学習については次の機会でお話しさせていただこうと思います。

藤岡教室講師 山本嵩覚(国語科)

その1

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