【理科】「何」を「どこまで」学べばよいのか

目次

1.独学で学習しにくい理科

2.「何」を「どこまで」学習するのか

3.覚えるべき量は限られている

4.関連付ける

5.最難関校の対策

Point

  • 学校によって必要な知識の量が異なる
  • 暗記しないといけない量を減らす
  • 単元ごとの関連を意識して学習する

【独学で学習しにくい理科】 

塾に通わずに中学受験をしようと思ったとき、最も学習のしにくいのが理科だと思います。

 物理・化学・生物・地学のそれぞれがまたさまざまな単元に分かれ、知識問題もあれば計算問題もあります。

 市販のテキストもありますが、中学入試で得点をかせぐためには物足りない内容のものも少なくありません。

 

 四谷大塚の予習シリーズのように、1つの単元に受験に必要な内容が豊富に盛り込まれていて、内容が素晴らしいと感じる教材ももちろんありますが、よい教材があっても、授業なしに独学で力をつけるのは至難の業です。

 

【「何」を「どこまで」学習するか】

「どこまで」できるようにならなければならないかというのは、受験する中学校によって違います。計算の難問がよく出題される灘・甲陽・白陵のような学校と、難しい計算は不要な啓明学院のような学校とでは、当然やっておくべきことが違います。

 

例えば電流の単元について考えると、どの学校の入試問題でも与えられた回路図に流れている電流が、以下の回路図の何倍かということがもとになっています。

 

これをおろそかにしたままで、上位校で出題される電磁石や電熱線の発熱の問題ばかり練習しても効果は上がりません。

 

塾では生徒のレベルや志望校などを考えながら、「何を」「どこまで」学ばなくてはならないのかを考えながら教えています。「何」を「どこまで」学習したらよいのかは、やはり塾のノウハウ、講師の指導力が生きてくる部分なのです。

 

【覚えるべき量は限られている】

実は講師である私も暗記は苦手です。暗記が得意な人でも、無味乾燥な言葉を多数見せられて覚ることは難しいでしょう。

そこで、意味を考えながら覚えることで、覚えなくてはならない量を減らす工夫が必要になります。

 

例えば、植物の単元で「がく」は花びらを支えるものだから、「花びらの枚数」=「がくの枚数」だと覚えられます。

 

「アブラナはおしべが6本で4本が長く2本が短い」

こう教えると「えーっ、長いのが何本かまで覚えなければならないの?」という声が聞こえてきそうです。暗記が苦手な者にとって、暗記すべき量の増加は脅威です。

でも、長いものと短いものの本数まで覚えなければならないのは、アブラナとエンドウだけ、と聞くと安心するでしょう。

 

【関連付ける】

水溶液の単元なら

石灰水

⇒ 溶質は水酸化カルシウム

⇒ 温度が上がると水に対する溶解度が小さくなる固体

 

天気の単元なら

飽和水蒸気量

⇒空気中に水蒸気が溶けこむ

⇒ものの溶け方(溶解度)の単元と考え方が同じ

 

このように1つの単元を学習しながら、関連するいくつもの単元の勉強も、「必要なこと」を「必要なところまで」関連付けながら学習していきます。

こうして必要な知識を何度も繰り返して学習することで、知識がしっかり定着していくのです。

 

【最難関校の対策】

最難関校、例えば、近年人気の急騰している神戸大学附属中は、記述させる出題が多いという特徴があります。

過去問を見ていると、どうしても記述対策の練習が必要だと思われがちですが、いくら解答・解説を読んでも正解を書けるようになるものではありません。

 

前提になっている理科の中学受験の知識をしっかり身につけることが先決です。計算も含めて中学受験の理科の内容を高い精度で理解したうえで、それを利用して記述の練習をすることでしっかりとした対策が行えるのです。その練習は一人でやるだけではなく、答案を講師に見せる、添削を受ける、書き直して見てもらうという過程が必要なことは、言うまでもありません。

 

結局、「必要なこと」を「必要なところ」まで学習する、そして、計算問題や記述問題は算数と同様に講師に質問してわかるようにしていくというのが、中学受験の理科で得点力を上げるコツなのです。

藤岡教室四谷大塚NET

藤井英彦

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