【国語】低学年からの国語教育

「いつから受験勉強を始めるか」

中学受験を志す保護者の方、生徒さんには最重要のテーマの一つだと思います。

もちろん考え方は人それぞれ違うでしょう。

一般的には4年生くらいから受験勉強を始める方が多いようです。

 

より低学年になると

習い事をもう少し続けたい/続けさせてあげたい

もう少し遊びたい/遊ばせてあげたい

だから受験勉強を始めるのはもう少し後で

 

ということで、そこまで多くはないようです。

長く続けることで中だるみを心配するご家庭もあります。

 

 

受験の現状

しかし、昨今の教育改革において、重要視されることも変わってきました。

 

国語の配点が上がった学校もあります

「論理的思考力」を打ち出した学校もあります

算数や理科で記述問題が増えました。

 

このように受験勉強では知識の詰め込みではなく、「記述力」「読解力」をはじめとする国語力が重要視されています。

 

 

低学年からの取り組みが必要

国語教育は、低学年までの勉強が非常に重要です。

 

小学生に対する指導の際、

「語彙力が乏しいな」

「日常的な言葉を知らないな」

と感じる場面が目立ちます。

小説においては生活の一コマについて書かれていることが多いため、スポーツや遊びの名前も登場します。

国語の苦手な生徒たちはその度に「先生、それ何?」という質問を繰り返します。

 

小学校高学年で入塾してくる際にも、「うちの子は読解が苦手で…なんとかなりませんか」という相談を受けます。そして語彙力のない子では、一朝一夕の勉強ではなかなか国語力は伸びていきません。

これからの入試は、いかに日常の言語生活を豊かにするかが大切になってくるでしょう。

 

 

どうやって語彙力を身につけるか

語彙力を身につけるためには、低学年までの国語教育や日常生活での体験が大切になってきます。

 

子どもは、親と一緒に見るテレビや、一緒に読む本のなかから多くのことばを理解します。

歌を一緒に歌うことで、歌詞の内容を理解します。

親子の会話からことばと指し示す内容を一致させることを学びます。

日常の買い物でも、食材から名産地を、会計のときにはお金のしくみを、なんとなく感じとって成長していくものなのです。

日常生活の一つ一つのシーンが「語彙力」を身につけるための素晴らしい機会になっているのです。

 

塾で学ぶことは

では塾の役割は何かというと、子どもたちがいままでに獲得している「ことば」を使って、論理的な文を書けるようにすることです。

 

「まず何でもいいから書きましょう」という訓練もあるでしょう。

自分の意見をしっかり言えることにはつながっていくと思います。

 

しかしそれだけでは間違った言葉の使い方をしてしまったり、題意に沿っていない答えを書いてしまったり、必ずしもプラスになるとは限りません。

自分の感覚に偏った考え方、記述になってしまいがちです。

 

大切なのは、まず「教師の記述・読解の手本をよく見ること」です。

 

正しい言葉の使い方を、まずは大人がしっかりと覚えさせる。

たとえば、選択問題は正誤のみにこだわりがちです。しかしじっくりと文章を読むことや、他の不正解の選択肢と読み比べることで、より深い文章読解や、記述力をつけることができます。

 

また3~4年のうちに、しっかり板書された記述を写したり、それを音読したりしている生徒は、学年が進むにつれて自然と講師の記述の仕方を身につけていきます。

それは、論理的な思考力や設問にしっかりと答えられる力がついてきたという証拠でもあります。

 

受験の先を見据えた力を

国語の力、そこには一朝一夕では身についたものでない、子供たちの壮大な物語があるのです。

 

低学年で語彙を身につけ、高学年で開花させるという一つのスタイルを貫ければ、受験での合格だけでなく、より大きなものを手に入れることができます。

低学年からの豊かな言語生活と、目的をもって勉強に取り組んでいく姿勢が、今後の受験で結果を出す「鍵」と言えるでしょう。

藤岡教室四谷大塚NET板宿本部校

梶田 拓也 

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