2021年度中学入試【国語】出題作品について

 2021年度の中学入試も終わり、国語科担当の教師陣は、各学校で出題された国語の文章を分析しています。

兵庫県下の各中学校で出題された作品から、傾向を探っていきましょう。

 

 社会情勢にリンクした作品は毎年多く出題されますが、今年はやはりコロナウイルス感染症に関係するものが目立ちました。

また、環境問題、人の生き方に関するものも、世相を反映しています。

・『首都感染』 高嶋哲夫(須磨学園・夙川)

・『人類はコロナウイルスといかに闘うべきかー今こそグローバルな信頼と団結を』
 ユヴァル・ノア・ハラリ(六甲学院)

・『クマゼミから温暖化を考える』沼田英治(滝川)

・『「のび太」という生きかた』 横山泰行(甲南女子)

 

科学系の作品で目立っているのは、脳科学系です。

テレビでも脳科学の研究者が活躍していることもあり、社会的に興味を持たれている分野です。

・『脳はすこぶる快楽主義』 池谷裕二(灘)

・『ロボットという思想 脳と知能のなぞに挑む』 浅田稔(親和)

・『空気を読む脳』 中野信子(甲南女子)

 

そして注目したいのは、近代文学。

主に昭和時代前半の文学作品が毎年登場しています。

今年は、
・『肝臓先生』 坂口安吾 (須磨学園)

・『屋根の上のサワン』井伏鱒二(神戸海星女子学院)

・『新書太閤記』吉川英治(神戸大学附属)

そしてさらに、平安時代の作品まで登場しました。

・『虫めづる姫君』堤中納言物語(関西学院)

 

 「国語」の問題ではありますが、正確な読み取りと内容理解には、算数・理科・社会すべてが関連しています。
これから受験を迎える皆さん、毎回の授業で読む文章も、このように考えると、興味がわいてきませんか?

 そして受験が終わった皆さん、「このお話、続きはどうなるのかな?」と気になったものはありませんでしたか?(試験中はそんな余裕なかったかもしれませんが…)もしあれば、ぜひ本屋さんや図書館で手に取ってみてくださいね。

 

藤岡教室四谷大塚NET板宿本部校/岡本校
山口雄嘉子

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