【受験のココロ01】中1生の段階で考えておきたいこと

神戸新聞連載

高校入試編を担当する、「若松塾」副理事長の井沢伸平です。よろしくお願いします。

この時期、中学1年生諸君の顔つきが、いよいよそれらしくなってきます。中学生なりの言葉遣いや立ち居振る舞いを頑張って見習う様子は、実にほほ笑ましい。男子は、あどけなさを残している子も多く、特にそう感じさせられます。

中学生活のリズムはつかめてきましたか。行動一つ一つに意義を感じ着実に歩めているようなら素晴らしい。一方で、目の回るような変化の波に流され、惰性で日夜を過ごしている子も目立ちます。思い描いていた中学生活像について再確認するにはよい時期。親子で話し合うなど、振り返りの時間を持ってみませんか。

避けて通れないのが勉強の話です。どんな道を未来に選ぶのかは人それぞれ。ただ、大学進学を目標とするなら、大学受験を中1の今から見据えること、そして、大学に合格するためにこなすべき学習の総量は確定しているとの認識を持つことをお勧めします。「あの大学に入るために必要な勉強の量は決まっている」という考え方を、少なくとも保護者は身に付けておいてください。

知っておきたいことがあります。公立中進学者と私立中進学者との間には、おおむね2年分の学習格差があるのです。考えてみれば当然で、私立中進学者は大学受験を見据え、中高一貫校に進学しようと小4や小5から受験勉強を始め、膨大な学習量をこなしたわけですから。現に中学受験の出題には、科目によっては公立中3年レベルに相当する内容も含まれています。多くの私立中は2年次終了時点で、公立中3年間で習う範囲を終えてしまいます。公立中1年生の保護者の皆さんはこの時点で、各学校における授業の進度を確認してみてください。驚くほど進んでいないのではないでしょうか?そのためか、中1の1学期に中間テストを実施しない学校はけっこう多いのです。現状を中学生活のペースだと誤解してしまうと、後々苦しくなってくるのは明らか。保護者の皆さんの中学時代とはかなり様子が違いませんか。中1生本人にとっては高校受験でさえ遠い未来でしょうに、大学受験をイメージするなんて遠大に過ぎる話です。だからこそ、保護者がこの認識をしっかり持って、わが子の歩むべき道程を示してやりたいところです。

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