夏に向けての算数の取り組み

 今年は新型コロナウィルスの影響で、2か月以上にわたり対面授業ができない期間がありました。

この間は対面授業とほぼ遜色ないくらいに生徒の学力をつけられているかを不安に感じながらオンライン授業をしていましたが、いざ対面授業が再開してみると、やはり例年に比べて多少、生徒たちの学力の後れを感じました。

それを踏まえての夏に向けての算数の勉強アドバイスをさせていただきます。

 

 

 以前にも難問対応力をつけるための方法として書きましたが、大事なのは

“設問にあたったときに自力正解できるように一生懸命考え抜くこと”です。

 

“教師があとで解説するのを当てにせず、何がなんでも自分で正解を出そうとすること”です。

 

シンプルですが、実践し続ければ非常に大きな効果があります。

ただ、学力がまだそれほど高くないうちは、問題を解くための道具としての知識が自分の中に十分に蓄積されておらず、一生懸命考えようにも一歩も自力で前に進めないといったことが起こります。

 

 

 たとえば、つるかめ算の解き方を習ったことがないのにつるかめ算の問題が初見ですらすら解ける子なら話は別ですが、普通は授業で解法を教わり、それを知識として習得することではじめて問題が解けるようになります。

そういった知識としての解法がまだ十分に蓄積されていないなら、意識的に頭の中に解法を蓄積していくということを行なってほしいと思います。

生徒たちには、「この問題知ってる。だから解ける。」という問題を増やしなさいと言っています。

でも実際は、生徒たちにとって、「この問題知ってる。でも解けない。」という問題が非常に多いように見受けられます。

授業中に机間巡視をしていても、解法の流れはだいたいわかっているのに詰めが甘くて正解に至らないという、見ていてすごくもったいないと感じることが多々あります。

 

 

仮にその問題がテストで配点が10点の問題だとしたら、正解には至らないまでも7点か8点分くらいは解き進められているのに、テストでは部分点が無い場合が多く、その問題で全く手も足も出なかった生徒と同じ評価である0点扱いになります。

ですから、生徒たちに、「あと2点分、3点分の勉強をして10点取りにいくようにしなさい。」ということをよく言います。

逆にこれを怠ると1点の詰めの甘さが10点の失点になります。

 

 

 ではそうならないためにはどうすればいいでしょうか。

 

それにはひとつひとつをしっかりと積み上げていくような丁寧な勉強をすることで、具体的には徹底的な復習をするのが一番効率的だと思われます。

 

授業で1時間かけて学んだことは、授業中に一生懸命集中していれば、復習するのにその半分の時間もかかりませんし、2回目の復習ではさらにその時間を短縮することができます。

また、復習は何度やっても意外と毎回新たな発見があります。

知識が深く定着していると、別の機会にその周辺知識を学ぶときにすんなりと頭に入りますので学習速度も上がります。

復習よりもたくさんの問題数をこなしておきたいと思うかもしれませんが、そういった勉強法にシフトしていくのはある程度の力がついてからの方がいいと思います。

 

あと、たまに自分の学力に見合わない難しすぎる問題を全くわからないと言って質問に持ってくる生徒がいますが、そういった問題は思い切って捨てることです。

解説を読んだり質問したりしても結局よくわからなかったり、一応理解はできたもののものすごく時間がかかってしまったりと非効率です。

今は理解するのに20分、30分かかることがもう少し力がつけばその時間が大幅に短縮されます。

 

そうなってから取り組めばいいと思います。

 

 

藤岡教室四谷大塚NET鈴蘭台校
 伊藤 和彦
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