【中学受験】秋の受験生

 夏休みが終わりました。

 夏期講習の確認テスト(当塾の場合は組分けテスト)の成績も出て2学期の受講クラスが決定し,新しいクラスでの勉強も軌道に乗り始めたところかなと思います。

 

 夏期講習の結果について,「こんなはずではなかった」「あれだけがんばったのに」そんなことを言っていてもしょうがない。すべては済んだことです。

 だいたいの場合,「解き直してみたらできた」「結果を出そうと焦ってしまい,ミスを連発していた」ということが多いです。

 

 本当にがんばった人の成果はぼちぼち見えてきますが,結果を出せなかった原因が「計算ミス」「焦った」であるなら,放置できません。

 

 毎回ミスするのなら,それが実力です。

 毎回焦ってしまうのならその結果が,その子のほんとうの力です。

 

 点数で生徒を叱ることはありませんが,毎回のように「ミスしてん」と言う子がいます。懇談で「家でもう一度やれば7~8割できてるんですけど」と言う保護者の方がいます。

 

 申し訳ないのですが,この時期にそういうのを聞くと一刀両断させていただくしかありません。「ミスも実力のうち」「入試は家ではできませんからねえ」と。

 毎回のようにミスをしているのなら,ミスを防げるよう意識しながら勉強することです。

 問題文の数値をマルで囲む。線を引く。大きなケタ数の計算をしたときにはゼロの数を確認する。計算まちがいがないかチェックポイントを設けておく。答えを書くときに何が聞かれているのかもう一度みる。答えの数を入れて成り立つか検算する。毎週テストがあるのだから,どうすればミスが減るか試してみたらいいのです。

 

 焦るという心理状態は,「早く問題を解いて最後までいかなきゃ」とか,「□□点以上とるにはこんなところで時間を使っていられない」とか,実力以上のものを出そうと思ったときに出てくるものです。「解ける問題を確実に」という原点にもどることです。自分以上の何かになろうと思っても,なれるものではありません。

 

 あとは,夏休みにがんばりきれなかったというケース。悔やんでもしかたがないので,「勝負は2学期からや。あきらめるな」と本人には言いながら,お家の方には第二志望・第三志望の学校を検討してもらいます。必ず志望校を落とさせるということではありません。もしものことがあり得るのはおわかりだと思いますが,もしもの可能性が高まったという危機感は持ってもらわなければなりません。

 

 学校が始まってしまうと,自分の時間は大幅に減ります。運動会,修学旅行,音楽会と行事が続く小学校もあります。「何もこの時期に…」とぼやくのはやめてください。すべての小学生の条件は同じです。一学期にのびのびと勉強できた代償と考えましょう。思い通りにいかないのを他のもののせいにするのは最低です。

 

 限られた時間を上手に使うこと。2学期はこれが大事です。

 

 すき間の時間を使って暗記。

 優先順位をつけてムダを省く。

 土曜日の午前は空けておいて,過去問演習1年分をする。

 

 夏の初めにもいいましたが,スケジュールを立てること。行き当たりばったりに思いついたことをやっているようではいけません。寒くなってくるから体調にも気をつけて。風邪やインフルエンザの予防も忘れずに。

 

 秋も更けてくると,校舎の前に焼き芋屋さんが来ます。「授業をしているので,音量を下げてもらえますか?」とお願いに行ったのがきっかけで,焼き芋を買ったり話をしたりするようになりました。「新しい品種が入ったよ」と教えていただいた芋は蜜が多くて甘く,居残り勉強の生徒の間で大好評でした。今では中学1年生になったその子たちは,後輩の激励に来たとき「あの芋を食べれば大丈夫! きっと合格するよ」と言ってくれました。大きな思い出になっているのだな,と僕も感激しました。

 今年は何十人がその焼き芋を食べるのでしょうか。

藤岡教室四谷大塚NET板宿本部校

出口 弘

講師紹介はこちら

藤岡教室についてはこちら